登山が好きな方の中には、「長い登山だと途中でバテてしまう…」、「下山時に膝が痛い…」、「よく転んでしまう」といった悩みを抱える方も少なくないと思います。また一方で、急な上り・下り道で歩き方が上手な人を見ると、「こんな急なのに何故そんなに安定して歩けるの!?」と驚くこともあるのではないでしょうか?
そういった方々にぜひ読んでいただきたい一冊が、今回おすすめする書籍「大人の山岳部」です。
これ、登山好きにとっては最高の良書の一つだと思います。
この書籍には、登山のイロハが体系的にまとまっており、特に登山を始めたばかり~登山中級者くらいの方が読めば「なるほど!こう解決すればいいのか!」という内容が盛りだくさん。間違いなく、登山の質を上げてくれる良書だと思います。
・レイヤリングについて
・基本装備について
・登山計画について
・歩き方について
・キャンピング技術と食糧計画
・ロープワーク
・クライミング
・雪山装備と雪崩への備え…
・雪山でのテント設営、雪洞の掘り方
・セルフレスキュー
etc…
こんにちは。山ごはん屋のいーぬいです!「山でごはんを作って食べる!!」ことの感動を多くの人に味わって頂きたくて、 Twitter(Follow @iinui88)・ブログを中心に情報発信しています。
▷高校時代山岳部
▷アラサーリーマン
▷丹沢、奥多摩エリアによく出没
▷山岳医療救助機構アウトドア
ファーストエイドbasic provider 認定
▷Kindle で山ごはんのレシピ本を出版
(Kindle Unlimitedユーザーは無料で読めます!)
出版した本↓
1. 歩き方編
① 基本はフラットフッティング
書籍では、登山における悪い・良い歩き方を下記の通り分析しています。
ここからは私の感想・意見です。たまに急な下りでも、すごく安定して歩いている人を見かけますが、ほぼ間違いなくこの「フラットフッティング」を上手に使っています。特に下りでは、「重心を軸足側に置く(前方におかない)」ことも大切なコツの一つだと思っています。
②. ダイアゴナル歩行を意識しよう
山道での大きな段差、不均一な段差では、通常の歩き方ではなく、「ダイアゴナル歩行」が有効です。
要するに、斜め歩きのことです。
・両足のつま先を進行方向に対し斜め横にしたまま、太ももではなく大臀筋(おしりの筋肉)から足を動かし、意図的に脚を持ち上げて、両足を交差させて歩く方法。(段差がきつい場合などは交差させず、脚を寄せるだけのこともある)
※ダイアゴナルとは、「対角線の」「斜めの」といった意味です。
-以下、書籍より引用-
山の中では大きな段差が出てくることも多いです。このような時には、意識的な脚上げで対応しましょう。コツは「おしりから脚を動かす」ことです。都会型の歩行では、つま先をおもりにして、脚を振り子運動で動かすのが特徴ですが、登山の歩行技術では膝から動かすことが重要です。脚を上げる際に、膝を持ち上げるように動きを起こし、おしりの筋肉がググっと伸びるように意識すると、脚を上げやすくなります。
ここからは私の感想・意見ですが…このダイアゴナル歩行は上りでも、下りでも大変有効です。(下りの場合は、脚を交差させずに寄せるだけです)この歩き方を積極的に使うことで、下山時の膝の痛みがかなり少なくなりました。ダイアゴナル歩行では、膝ではなくおしりの筋肉を使います(上りも下りも)。一方で、登山時の膝の痛みの大割は、膝の筋肉(大腿四頭筋)によるものだそうです。(参考記事:YAMAP・YAMAKEI ONLINE) ダイアゴナル歩行を使うことで、膝の筋肉を使う機会を減らすことができ、結果として膝への負荷を減らし、痛みを発生しにくくすることができる、と考えています。
参考記事
https://yamap.com/magazine/15554
登山は膝の温存戦です。上りで膝を酷使すると、下りで着地の衝撃が大きくなった時に、膝は痛み出します。ですので、上る時からなるべく膝は使わないとイメージすることが大切です。急な上りや下り、階段、大きな段差の場面では、すべてダイアゴナル歩行で登るくらいのイメージでよいと思います。
本書では、もっと豊富な解説と写真で丁寧に説明しておりますので、よりきちんと理解したい方はぜひ一度手に取って読んでいただくことをおすすめします。
2. 食糧計画編~「1日3食」の概念を捨てるべし!~
一般的に一日に必要なエネルギー量は、「活動量の少ない成人女性の場合は、1400~2000kcal、男性は2200±200kcal程度が目安」と言われています。(農林水産省調べ)
また私の場合、(男性 / 身長約170cm / 体重約 65kg 程)一日の登山で消費するカロリーは、高尾山の往復では900 kcal程、上高地から槍ヶ岳まで歩くと4000 kcal 以上になります。
例えば 2日間の登山で 上高地~槍ヶ岳 往復に必要なカロリーは
通常消費の分 2000 kcal×2日 = 4000 kcal
登山の二日分 4000 kcal × 2 日= 8000 kcal
なんと二日で必要なカロリーは 合計 12000 kcal !!
一日3食だとすると、二日で6食なので、
一食あたり 2000kcal (牛丼約3杯分)摂らないと不足=バテる計算です!!
※ざっくり試算なのであくまで目安ですが、極端に外れた数値ではないと思います。
ここに、「シャリバテ」の怖さがあると思っています。語弊を恐れず言えば、「思ったより食べないと登山ではバテる」のです。私もハード目な登山中は、「お昼になったら昼ごはん」ではなく、1~2時間毎にしっかり目に行動食とるようにしています。 長い距離がしんどい方も、これを意識すればもっと長くラクに歩けるようになる…かもしれませんよ!
まとめ+その他おススメのまとめ記事
今回は、私のおすすめ書籍「大人の山岳部」の中でも2つの項目に絞って、私が特に重要と思うところを紹介してきました。登山系の本では、言い回しが複雑で難しいものも少なくないと思うのですが、本書は文章が易しく、かつ具体的な数字や写真が多くて大変読みやすいです。ここで紹介した以外にも、「はしご、鎖場の歩き方」や「炊事とトイレ」、「一日の献立例」、「1日2リットルは水を飲む」等など、役立つ情報が詰まっています。少しでも興味を持たれた方は、是非一度読んでみることをおすすめします。
この本を読み歩き方や登山の知識をアップデートすることで、ちょっと難しい登山もできるようになるかもしれませんよ!燕岳や槍ヶ岳のような、憧れの山へ挑戦できるかもしれません。皆様の山ライフがより良いものとなるよう願っております!!
著者の槍ヶ岳山行の記録↓
以下の記事では、「どこの山に登ったらよいかわからない…」という方向けに、関東近辺でおすすめの山を紹介しています。どの山も、駅→登山→温泉(または銭湯)→駅と徒歩で一筆書きできるルートでおすすめです。
以下の記事では、私が実際に愛用しているクッカー・バーナーを紹介しています。「何から道具をそろえたら良いかわからない…」という方には参考になると思います!
また、「火も使わなくてよいくらい簡単なレシピが知りたい!!」という方には以下の記事もおすすめです。
「山で食べたカップ麺が一生忘れられない!!」とよく聞くように、自分で作って食べる山ごはんは格別です。生きている限り忘れられない食体験になること間違いナシですよ!!この記事が皆様の新たな一歩の後押しになれば幸いです。 以上、読んでいただきありがと山でしたー!!
【Pick up】
▽燕岳でウェディングフォトを撮った時の話
▽スイスで初の4000m峰に登頂した際の旅行記
▽ふるさと納税で毎年アウトドアグッズをお得にゲットできる話
▽東日本大震災で被災した際の体験談と、友人へのプレゼントに防災ラジオを選んでいる話
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